債権回収は、弁護士の仕事としては、基本科目です。
しかし、債権回収には、他の法的トラブルに比べて、独特の難しさがあります。そのため、それぞれの弁護士の力量がはっきりと現れやすいと言えます。

このページでは、ケースごとに、どのように回収を進めていくのが最適なのかを、詳しく解説いたします。

債権があるのかないのか、はっきりしないケースがあります。

単なる口約束で仕事をして、対価についてきちんと取り決めをしていない。
「急いでいるから、とにかくすぐ仕事をしてくれ」などといわれた場合に多いケースです。
発注書があればまだよい方で、何の書面もないことすらあります。
そんなケースでは、相手のために無理をして仕事だけを先にしたのに、支払を拒まれたり、不当に安い料金を押しつけられたりすることがあります。これは本当につらいことです。

でも、あきらめるのは早いです。
法律上は、書面がある必要はありません。
たとえ口頭だけの約束でも、約束があったことを証明できれば、請求は十分に可能です。

私たちは、皆さんからしっかりと事情をうかがい、それを陳述書にまとめ、揺るぎない証拠を作成します。

債権があるならば、きちんと請求をすることが大切です。

なにも後ろめたさを感じることはありません。
あなたとあなたの社員の智恵と汗の結晶が債権です。
自分たちが、誠意をもって仕事をしたならば、その対価をきちんと請求しないことは、自分の仕事に対する誇りを捨てることだと思います。あるいは、仕事をしてくれた従業員たちを軽んずることだと思います。
請求は、毅然と行うべきものです。

相手にとって、あなたの優先順位を上げさせます。

債権回収に苦労している会社には、ひとつの共通する特徴があります。
それは「回収のために取るべきプロセスをきちんと踏んでいない」ということです。
その結果「相手から軽く見られている」状態になってしまっています。

たとえば、契約書をきちんと作っていない。
せめて発注書・受注書があればいいのですが、それもない。あっても、記載がいい加減で、どうにでも解釈できるようなものしかない。
従って、支払金額や、支払時期について、どのような約束がなされているのかはっきりしない。

また、請求書がきちんと発行されていない。
支払日に支払ってくれないのに、すぐに連絡をして督促することをしない。
ようやく督促しても、相手ののらりくらりとした言い訳に、ずるずると引きずられて、いつまでも待っている。

こういった事態に陥っているわけです。
相手は、まったくお金がないわけではないのです。
限られたお金を、どういう順番で支払おうか、誰を優先して、誰を待たせるか。そういったことを考えた結果、あなたは後回しにされているのです。

まずは、このような状況を変えるのが、私たちの仕事です。
そのために、弁護士という立場を最大限活用します。

相手の立場も考えることで、現実的なプランをご提案できます。

かといって、ただやみくもに強気であればよいというものではありません。
極端なことをいえば、こちらが仕掛けたことが原因で、相手方の会社が潰れてしまって回収ができなかった、というのでは何にもなりません。
私たちは、相手方の事情もしっかりと聞いて、最も現実的な回収プランを提案します。

ただちに全額を支払うことで、相手の事業に支障があるのであれば、適切な担保をつけてもらい、分割で支払ってもらう。もちろん、適切な金利分は上乗せしてもらいます。
広い人脈を利用して、資金の調達先を紹介することもあります。
私の依頼者と相手方が事業提携をして、相手方の扱う商品の売上を増やしてあげて、その売上増の中から回収したケースもあります。

当事務所は、現場の泥臭い仕事も嫌がりません。

どうしても、話し合いでは回収に結びつけられない、不誠実な相手もいます。そんな場合には、訴訟を提起して、強制執行することもあります。
すると、相手方の店舗へ赴いての現金や在庫・備品の差押えといった体力的にも精神的にもつらい現場仕事が発生します。

書類仕事に追われる弁護士なら、現場を嫌がって、途中で他事務所に任せてしまうかもしれません。
しかし私たちは、泥臭い仕事でも厭うことなく、責任を持ってお引き受けいたします。

最後に

私たちの事務所は、金融機関の顧問として、数え切れないほどの案件を手がけてきました。
他方で、請求される側の立場に立って、数多くの会社のための仕事をも手がけてきました。
請求する側とされる側、いずれの機微も知り尽くした弁護士が、あなたのために働きます。