- 依頼者 : 金融機関
- 相手方 : 東京近県の建設会社
勝訴はしたけど回収ができない
相手方は、いつもムラサキ色のサングラスをかけてリーゼントにしている60代の社長で、裁判の際にも、証人尋問の前日に相手方のところへいって「自分のために有利な証言をしてくれ。お礼はするから。そうでないとどうなるかわかっているな」などと発言してしまうような困った人でした。
借りた金を返さないので、相手方の会社と連帯保証人である社長に裁判を起こしました。
当然ながら、勝訴でした。 ここからどうやって回収するか、が問題です。
訴訟用の供託金を差し押さえて、全額回収
まず、相手方の所有不動産については、仮差押えをすることにしました。
その他の財産として、相手方は、法務局に多額のお金を供託していることがわかりました。
相手方の社長は、訴えられることも多いですが、訴えるのも大好きで、多くの訴訟を起こしており、仮差押えなどもかけているケースがあることがわかったのです。
仮差押の命令をもらうには、法務局に裁判所にお金を供託しなければなりませんが、相当な額を供託していることがわかったのです。
そこで、この「供託金返還請求権」を差押えることとしました。
不動産については、仮差押えをした後、相手方が「仮差押え解放金」というのを供託しましたので、こちらから回収することができました。
相手方は、さまざまな妨害行為をしかけてきて、大変な時間と手間がかかりましたが、最終的には、全額、こちらで回収することができました。
ひと言コメント
このような相手方は、専門家の力を借りないとどうしようもないことでしょう。
みるからに「あやしい人」は、自分の弱さをかくすために、まわりの人がひるむような格好をしていたり、そのような言動をしたりします。
しかし、それは多くの場合、自分の弱さや後ろめたさをカモフラージュするための虚勢にすぎないことが多いものです。
また、そういう人は、専門的な知識を持っているように振る舞い、法などいくらでもかいくぐれるかのような発言をしています。
しかし、所詮はアマチュアです。アマチュアは断片的な知識は持っていても、法律全体をつらぬく体系は知りません。
このようなタイプの人に対して、危害を加えられるのではないかと、過度におそれる必要はありません。彼らは、警察沙汰になるようなことは、もっとも恐れていますので、実際に手出しをしてくることは、まずありません。
気負わず、ひるまず、正道で進めば、かならず解決策はみつかるものです。